東京都多摩地域(立川市・国分寺市・府中市・国立市・小金井市・小平市・西東京市・調布市・狛江市など)の一部の水道水源井戸で、PFAS(PFOS・PFOA)が高い濃度で検出され、東京都水道局が複数の井戸の取水を停止しています。ただし家庭に届く水道水(給水栓)は、井戸の停止や浄水処理・ブレンドにより基準内に収まっています。東京都水道局が公表している「水源井戸→浄水→給水栓」の3段階データを、当サイト「全国水質カルテ」が独自の判定を加えずそのまままとめました。(更新年月: 2026年9月)
- 情報源: 東京都水道局(多摩地区水質検査結果、水源井戸の水質検査結果)
- 対象期間: 令和6年度実施分
- 記事の最終更新: 2026年9月
多摩地域の水源井戸で何が検出された?
東京都水道局は、多摩地域の水道水源井戸ごとにPFOS・PFOA合算値を公表しています。有機フッ素化合物を理由に運用を停止した井戸は令和6年度末時点で43本あり、停止直前の確認値は最大660 ng/L(国立市・国立東水源)でした。稼働を続けている井戸でも100〜200 ng/L台の値が見られますが、これらは浄水処理・ブレンドを経て給水栓に届く前に大きく低減しています。
660 ng/L
停止(令和元年6月)
510 ng/L
停止(令和3年8月)
300 ng/L
停止
290 ng/L
停止
430 ng/L
停止(令和元年6月)
210 ng/L
稼働中(浄水で低減)
190 ng/L
稼働中(浄水で低減)
220 ng/L
停止(令和2年3月)
110 ng/L
稼働中(浄水で低減)
47 ng/L
稼働中
(出典: 東京都水道局「多摩の水源井戸の水質検査結果」(令和6年度))
なぜ蛇口の水道水は基準内なの?
高濃度が確認された井戸は取水停止や他系統とのブレンドで対応されており、浄水処理の過程でも濃度が下がります。たとえば国分寺市・国分寺北町給水所では、原水(井戸の水)が190 ng/L程度あった時期でも、浄水段階では8 ng/L前後まで低減し、給水栓(蛇口)ではさらに希釈されて5〜9 ng/L程度で推移しています。都内の給水栓131地点は、令和6年度を通じて全て暫定目標値(50 ng/L)以下を維持しています。
(出典: 東京都水道局「多摩地区水質検査結果」(令和6年度))
一時的に給水栓で基準に近づいた例はある?
府中市・若松給水所では令和2年12月に給水栓で34 ng/Lを記録し「監視強化」の対象に指定、小平市・小川給水所では令和2年7月に給水栓が暫定目標値を上回ったため、東京都水道局はただちに高濃度の井戸の運用を停止する対応を取りました。いずれも対応後は給水栓の値が低下し、令和6年度は両給水所とも給水栓で概ね5 ng/L未満で推移しています。
(出典: 東京都水道局「多摩地区水質検査結果」(令和6年度))
汚染源は横田基地なのか?
東京都水道局・東京都環境局の公式資料には、汚染源を特定する記載はありません。一方、京都大学・原田浩二氏の研究室と市民団体による独自の地下水調査(2023年12月公表、公的機関の調査ではない点に留意が必要です)では、立川市西部の浅井戸で高い濃度(平均604.6 ng/L、最大3,102 ng/L)が確認されており、地下水の流れを通じて周辺市の井戸汚染につながっている可能性が考察されています。汚染源については、基地内での泡消火薬剤の使用に関する報道もありますが、行政による正式な特定は本ページ執筆時点で確認できていません。
(出典: 京都大学・原田浩二研究室ほか「多摩地域の地下水調査」(2023年12月、市民団体調査))
東京都水道局が供給する水道水全体(23区+多摩地域の大部分)の実測値は「東京都水道局の水道水カルテ」でまとめています。
井戸の水が高くても、水道局が井戸を止めたり薄めたりして、蛇口の水はちゃんと基準内になるように管理されているんだね。
このページのデータの読み方と出典
本ページの数値の見方と、参照した情報源をまとめます。
出典一覧
- 東京都水道局「多摩地区水質検査結果」(令和6年度)
- 東京都水道局「多摩の水源井戸の水質検査結果」(令和6年度)
- 東京都水道局「PFOS・PFOAに関する対応」
- 京都大学・原田浩二研究室ほか「多摩地域の地下水調査」(2023年12月、市民団体調査)




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