兵庫県西脇市の上戸田浄水場系統(和布町給水栓)では、令和3年(2021年)にPFOS+PFOA合算値100ng/Lという、国の基準値(50ng/L)の2倍にあたる値が水道水(浄水)で検出されました。西脇市が公表している検査結果を、当サイト「全国水質カルテ」が独自の判定を加えずそのままファクトとしてまとめました(更新年月: 2026年9月)。
- 情報源: 西脇市「上戸田浄水場系統 有機フッ素化合物(PFOS及びPFOA)測定結果」
- 対象期間: 令和3年度(2021年度)〜令和8年度(2026年4月分)
- 記事の最終更新: 2026年9月
西脇市の水道水にPFAS(PFOS・PFOA)は含まれている?
西脇市は市内4つの浄水場系統(上戸田・大木・黒田・大伏)で年1回、給水栓水のPFOS+PFOA検査を実施しています。このうち上戸田浄水場系統(和布町給水栓)で、令和3年度に100ng/Lという基準値超過が検出されました。他の3系統(大木・黒田・大伏)では、同時期も基準値内で推移しています。
(出典: 西脇市「上戸田浄水場系統 有機フッ素化合物(PFOS及びPFOA)測定結果」(浄水・和布町給水栓の値))
全国の主要都市・地域のPFAS(PFOS・PFOA)実測値を升目(グリッド)形式でまとめています。PFASマップで全国データと比較してみましょう。
浄水(和布町給水栓)は令和3年度の100ng/Lをピークに、令和6年度まで28〜38ng/Lで推移していましたが、令和7年度以降は定量下限値未満(5ng/L未満)まで低下しています。
原因とみられる水源(第6水源地)の原水は今も高いのか?
上戸田浄水場系統には複数の水源井戸(第1水源地・新第1水源地・第2水源地第1井戸・第2水源地第2井戸・第3水源地・第6水源地)があります。このうち第6水源地の原水(取水前の井戸水)で高濃度が続いたため、西脇市は令和6年(2024年)11月19日にこの水源からの取水を停止しました。
| 採水日 | 第6水源地(原水) | 第1水源地(原水) |
|---|---|---|
| 令和6年11月13日 | 140 ng/L | 未測定 |
| 令和7年4月16日 | 74 ng/L | 6 ng/L |
| 令和7年7月9日 | 91 ng/L | 5 ng/L未満 |
| 令和7年10月8日 | 100 ng/L | 5 ng/L未満 |
| 令和8年1月14日 | 92 ng/L | 5 ng/L未満 |
| 令和8年4月15日 | 46 ng/L | 37 ng/L |
(出典: 西脇市「上戸田浄水場系統 有機フッ素化合物(PFOS及びPFOA)測定結果」(原水、令和6〜8年度))
第6水源地は取水を停止した後も監視が続けられており、原水は令和6年11月〜令和8年7月の間、測定された回はいずれも43〜140ng/Lの範囲で推移し続けています。取水停止後に浄水(給水栓水)が大きく改善したことから、この水源が浄水の基準超過の主因だったとみられますが、市はこれを明言していません。
汚染源は特定されている?
西脇市は汚染源を特定していません。地下水の流れは複雑で排出元の特定は難しいとの見解を示しています(出典: 神戸新聞、2025年1月報道)。
市の対応をめぐる経緯
この件では、西脇市の情報公表・報告のあり方についても報道されています。
- 2023年12月市議会で議員が令和3年度の検出(暫定目標値の2倍)について質問した際、市建設水道部長が「検査は令和4年度から」「基準値内で推移」という趣旨の答弁を行う。
- 2024年12月2日市が議員協議会で、この答弁が不正確だったとして訂正・謝罪。
- 2025年2月西脇市が日本水道協会に実際より低い値を報告していたことが判明。市は「誤入力」と説明し、協会サイトの数値修正を申し入れる方針を示す。
- 2025年2月20日西脇市が国土交通省・環境省に対し、発生源特定・低減対策への財政支援、国による情報発信、血中濃度モニタリング調査の3点を要望。
(出典: 神戸新聞(2025年1月・2月報道)、西脇市「有機フッ素化合物(PFAS)に関する国への要望」)
2021年の検出以降、西脇市は住民の血液検査を独自には実施していません。市が兵庫県加東健康福祉事務所に相談したところ、「県内で実施した自治体はなく、実施の可否は各市町村の判断」という回答だったと報じられています(出典: 朝日新聞地域面)。
このページのデータの読み方と出典
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