三重県桑名市の多度地区(多度小山配水区)では、令和2年(2020年)8月に水道水でPFOS+PFOA合算値290ng/Lという、全国の水道事業者の中でも極めて高い値が検出されました。桑名市が公表している一次データを、当サイト「全国水質カルテ」が独自の判定を加えずそのままファクトとしてまとめました(更新年月: 2026年9月)。
- 情報源: 桑名市「桑名市『多度中部送水場』で検出された化学物質(PFOS及びPFOA)について」、「水道水及び原水水質検査結果」(月次)
- 対象期間: 令和2年度(2020年度)〜令和8年度(2026年6月分)
- 記事の最終更新: 2026年9月
桑名市の水道水にPFAS(PFOS・PFOA)は含まれている?
桑名市多度地区の多度小山配水区(水源:多度中部送水場)で、令和2年度から令和4年度にかけて暫定目標値(50ng/L)を大きく超えるPFOS+PFOA合算値が検出されていました。令和4年10月に水源を切り替えて以降は、市内全9系統で基準を大幅に下回る水準が続いています。
(出典: 桑名市「桑名市『多度中部送水場』で検出された化学物質(PFOS及びPFOA)について」(2023年12月4日更新)、「水道水及び原水水質検査結果〈令和8年6月分〉」)
他地域のPFAS(PFOS・PFOA)実測値が気になる方は、全国のPFAS実測値を比較できるマップもあわせてご覧ください。
なぜ検出され、どう対応した?
桑名市は令和2年度の検出開始から令和4年度の水源切り替えまで、経過観察を続けながら監視を継続していました。経緯は次の通りです。
- 2020年8月多度小山配水区(多度中部送水場)で290ng/Lを検出。同年5月に多度地区で発生した火災で消火剤が使用されたこと、および外的要因の影響を受けにくい深井戸だったこと、毒性の知見が確立していなかったことから、経過観察とした。
- 2021年8月170ng/Lを検出。数値が低下傾向だったため経過観察を継続。
- 2022年8月(確認は同年10月)230ng/Lで数値の低下が見られなかったため、多度中部送水場を停止し、多度北部配水場に切り替え。切替後の緊急検査で多度小山配水区は「検出されず」を確認。
- 2023年7月市内全9系統で暫定目標値(50ng/L)を大幅に下回る5ng/L以下を確認。
- 2023年11月9日桑名市が環境大臣・厚生労働大臣宛てに「水道水における有機フッ素化合物の評価及び取り扱いに関する要望書」を提出。
(出典: 桑名市「桑名市『多度中部送水場』で検出された化学物質(PFOS及びPFOA)について」(2023年12月4日更新))
桑名市は火災時の消火剤使用の可能性に触れていますが、「消火剤を使用されたこと及び、外的要因の影響が受けづらい深井戸だったため」という並記表現にとどまり、原因を確定的に特定したとは公表していません。
現在(直近)の水道水は安全か
桑名市が毎月公表している水質検査結果によると、令和8年6月分の時点で、町屋系統・桑名南部系統・桑名西部系統・多度北部系統・多度中部系統・多度南部系統・古野系統・美鹿系統・長島中部系統の全9系統で、PFOS+PFOA合算値は定量下限値未満(5ng/L未満)でした。多度中部系統(多度4号井)も含め、基準値(50ng/L)を大幅に下回っています。
(出典: 桑名市「水道水及び原水水質検査結果〈令和8年6月分〉」)
桑名市(町屋系統)の硬度はどれくらい?
桑名市は系統によって水源(浄水場・井戸)が異なり、硬度は系統ごとに差があります。町屋系統(城南神社)の硬度は79 mg/L(令和8年6月分)で、国の基準値(300 mg/L以下)を下回っています。このほか多度北部系統で27 mg/L、長島中部系統で17 mg/Lなど、系統によって17〜79 mg/Lの範囲で推移しており、いずれも基準値を大きく下回っています。
(出典: 桑名市「水道水及び原水水質検査結果〈令和8年6月分〉」町屋系統・城南神社)
桑名市(町屋系統)のフッ素の実測値は?
町屋系統(城南神社)のフッ素及びその化合物は0.09 mg/L(令和8年6月分)で、国の基準値(0.8 mg/L以下)を大幅に下回っています。
(出典: 桑名市「水道水及び原水水質検査結果〈令和8年6月分〉」町屋系統・城南神社)
桑名市(町屋系統)のトリハロメタンの検査結果は?
町屋系統(城南神社)の総トリハロメタンは0.004 mg/L(令和8年6月分)で、国の基準値(0.1 mg/L以下)を大幅に下回っています。
(出典: 桑名市「水道水及び原水水質検査結果〈令和8年6月分〉」町屋系統・城南神社)
桑名市(町屋系統)のその他の基準項目はどうなっている?
その他の基準項目もすべて基準値内です。以下は令和8年6月分・町屋系統(城南神社)の値です。
pH値の実測値
pH6.2で、基準(5.8以上8.6以下)内です。
鉛及びその化合物の実測値
0.001 mg/L未満で、基準(0.01 mg/L以下)を大幅に下回っています。
ヒ素及びその化合物の実測値
0.001 mg/L未満で、基準(0.01 mg/L以下)を大幅に下回っています。
色度の実測値
0.5度未満で、基準(5度以下)を大幅に下回っています。
濁度の実測値
0.1度未満で、基準(2度以下)を大幅に下回っています。
(出典: 桑名市「水道水及び原水水質検査結果〈令和8年6月分〉」町屋系統・城南神社)
このページのデータの読み方と出典
本ページの数値の見方と、参照した情報源をまとめます。
出典一覧
- 桑名市「桑名市『多度中部送水場』で検出された化学物質(PFOS及びPFOA)について」(2026年9月時点でURL変更の可能性あり。本文の内容は2024年5月時点のWebアーカイブで確認)
- 桑名市「水質検査結果一覧」(月次PDF)
- 環境省「水道におけるPFOS及びPFOAに関する調査の結果について(水道事業及び水道用水供給事業分)」



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