水道水に含まれるフッ素とは何か、基準値、虫歯予防との関係、日本と海外の違いについて、厚生労働省・WHO等の公表資料に基づいてまとめました。当サイト「全国水質カルテ」が独自に安全・危険の判定を行うことはありません。
フッ素とは
フッ素(フッ化物)は自然界に広く存在するミネラルの一種で、土壌や岩石に含まれる成分が地下水や河川水に溶け込むことで、水道水にも天然由来で含まれています。少量の摂取は虫歯予防に役立つとされる一方、過剰に摂取すると歯に白い斑点状の模様が生じる「斑状歯」の原因になることがあるため、水質基準では健康に関する項目として管理されています。(出典: 日本歯科医師会「テーマパーク8020」)

少なすぎても多すぎても気にされる、量によって効果と注意点が入れ替わるミネラルなんですね。
水道水のフッ素の基準値はどれくらい?
日本の水道水のフッ素は、水質基準に関する省令により0.8 mg/L以下と定められています。この基準は健康に関する項目として設定されているもので、WHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインが定める1.5 mg/L以下よりも厳しい水準になっています。(出典: 厚生労働省「水質基準に関する省令」、WHO飲料水水質ガイドライン)
日本の水道水はフッ素を人為的に添加(フロリデーション)しているのか
日本では現在、虫歯予防を目的として水道水にフッ素を人為的に添加する「水道水フロリデーション」は実施されていません。水道水中に含まれるフッ素は、地域ごとの地質による天然由来のものです。(出典: 国立保健医療科学院「フロリデーションとは?」)
海外では虫歯予防を目的に水道水へフッ素を添加している国・地域もありますが、それらの国とは制度・背景が異なるため、日本の水道水の基準値をそのまま海外の事情と比較することはできません。

海外のニュースで見かける「水道水にフッ素を入れる/入れない」論争は、そもそも日本の水道水には当てはまらない話なんですね。
全国の水道水のフッ素は平均するとどれくらい?
全国水質カルテが政令指定都市等12都市の公表データを集計した参考値では、平均0.077 mg/Lでした(2026年9月時点)。基準値0.8 mg/Lや、むし歯予防効果が期待されるとされる濃度域(0.7〜1.0 mg/L、WHO)と比べても、いずれの都市も大きく下回っています。(出典: 全国水質カルテ自社集計)
お住まいの地域の実際の数値は、各地域の水道水カルテで確認できます。
よくある質問
フッ素入り歯磨き粉との関係は?
歯磨き粉に含まれるフッ素は歯の表面に直接塗布するもので、水道水を飲んで摂取するフッ素とは摂取経路も想定される濃度も異なります。歯磨き粉の使用方法については、製品の表示や歯科医師の案内をご確認ください。
浄水器でフッ素は除去できますか?
活性炭を使った一般的な浄水器は、フッ化物イオンをほとんど吸着できません。RO(逆浸透)膜を使った浄水器であれば、半透膜で水そのものをろ過する仕組みのため除去できます。除去性能は製品ごとに異なるため、各メーカーの公表情報をご確認ください。
井戸水は水道水よりフッ素が多いことがありますか?
フッ素は地質由来のため、地域や水源によって濃度が異なります。井戸水を利用している場合の目安の考え方は、別ページ「水道水のフッ素の数値が気になったら知っておきたいこと」で整理しています。
出典・参考資料
- 厚生労働省「水質基準に関する省令」(環境省まとめページ: 水質基準項目と基準値)
- 日本歯科医師会「テーマパーク8020」フッ化物
- 国立保健医療科学院「フロリデーションとは?」
- 全国水質カルテ自社集計(n=12都市、2026年9月時点)



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