水道水の硬度が高い、あるいは硬水かもしれないと感じたときに確認できることと、生活上の対処法について、公的資料に基づいて整理しました。当サイト「全国水質カルテ」が独自に安全・危険の判定を行うことはありません。
自分の地域の水道水が硬水かどうかはどう確認できる?
まずは、お住まいの水道事業者が公表している水質検査結果で実測値を確認するのが確実です。全国水質カルテでは、対応済みの地域について各水道水カルテのページで硬度の実測値を掲載しています。硬度60 mg/L未満であれば「軟水」、120 mg/L以上であれば「硬水」に分類されます(詳しい分類は「硬度とは」で解説しています)。
お住まいの水道事業者のページに検査結果が見当たらない場合は、市区町村の水道局・企業団の窓口に問い合わせると確認できます。
硬水だと生活にどんな影響がある?
硬度が高い水は、石鹸や洗剤の泡立ちが悪くなりやすいことが、水質基準で硬度の上限(300 mg/L以下)が定められている理由になっています。(出典: 厚生労働省「水質基準に関する省令」)
このほか、加熱するとカルシウム分が析出しやすく、電気ケトルややかん、給湯器の内部に白い付着物(スケール)が生じやすくなることも、硬度の高い地域で一般的に知られている現象です。日本の水道水の多くは軟水域にあるため、こうした影響が目立つケースは限定的です。

硬度の基準はもともと「暮らしやすさ」のための目安なので、影響が出るとしても家電や洗い物まわりが中心、というイメージですね。
硬水を軟水にする方法はある?
方法は主に3つあります。煮沸(一時硬水のみ有効)、イオン交換樹脂を使った軟水化装置(整水器)、硬度低減をうたう浄水器です。それぞれ効果や手間が異なるため、順に見ていきます。
煮沸でどのくらい硬度が下がる?
煮沸で下がるのは、硬度の中でも「一時硬度」と呼ばれる部分だけです。水に溶けている炭酸水素カルシウム(重炭酸カルシウム)は、加熱すると分解して水に溶けにくい炭酸カルシウムに変わり、やかんの内側などに白い沈殿物(スケール)として析出します。この分だけ、水に残る硬度が下がる仕組みです。
一方、硫酸塩や塩化物の形で溶けているカルシウム・マグネシウム(永久硬度)は加熱しても分解しないため、煮沸では取り除けません。どれだけ下がるかは、その水に含まれる重炭酸塩の量によって変わるため、「必ず何%下がる」と一律には言えない点にご注意ください。
煮沸のやり方
やかんや鍋に水を入れ、蓋を外した状態で沸騰させ、その後10〜20分程度沸かし続けるのが一般的な方法です。蓋を外すのは、分解で生じる二酸化炭素を空気中に逃がし、反応を進みやすくするためです。沸かし終えたら、内側に白い沈殿物が付いていないか確認すると、一時硬度がどの程度含まれていたかの目安になります。なお煮沸は硬度を下げる目的のほか、水道水の消毒副生成物であるトリハロメタンを減らす方法としても知られています(詳しくは「トリハロメタンが気になったら」で解説しています)。
一時硬水と永久硬水の違いや見分け方
一時硬水は、石灰岩地帯を通った地下水などに多く、炭酸水素カルシウム(重炭酸カルシウム)を主成分とし、煮沸で軟化します。永久硬水は、硫酸塩や塩化物を主成分とし、煮沸しても硬度が変わりません。実際の水は両方が混ざっていることが多く、「どちらか一方」に完全に分かれるわけではありません。
家庭でおおまかに見分ける方法としては、市販の硬度試験紙(テストストリップ)で煮沸前後の硬度を比べる方法があります。沸かした後に数値が下がっていれば、その分が一時硬度ということになります。また、水質検査結果に「アルカリ度」の記載がある場合、アルカリ度の値がおおよそ一時硬度の目安になり、総硬度からアルカリ度を引いた分がおおむね永久硬度に近い値になります。正確な内訳を知りたい場合は、水道事業者や検査機関にご確認ください。
装置・浄水器で下げる方法
日常的に硬度を下げたい場合は、イオン交換樹脂を使った軟水化装置(整水器)や、硬度低減をうたう浄水器を使う方法が一般的です。こちらは一時硬水・永久硬水を問わず対応できる製品が多くあります。処理方式や対応できる硬度の範囲は製品によって異なるため、導入前に各メーカーの仕様をご確認ください。
乳幼児のミルク作りで気をつけることは?
厚生労働省が周知しているWHO(世界保健機関)・FAO(国連食糧農業機関)の「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」では、水道水を一度沸騰させてから調乳に使うことが基本です。(出典: 厚生労働省「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインについて」)
市販のミネラルウォーターを使う場合や、ご自宅の水の硬度が気になる場合の対応については、公的機関による統一的な数値基準を当サイトでは確認できていません。かかりつけの小児科医や、お住まいの市区町村の保健担当窓口にご相談いただくことをおすすめします。



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