福岡県岡垣町の水道水は、糠塚水源のPFOS+PFOA合算値が令和3年2月に45ng/Lを記録し、その後も暫定目標値(50ng/L)近辺で推移してきましたが、令和7年に汚染源に近い井戸を相次いで停止した結果、直近は不検出(5ng/L未満)〜数ng/L台まで低下しています。岡垣町が公表している一次データを、当サイト「全国水質カルテ」が独自の判定を加えずそのままファクトとしてまとめました(更新年月: 2026年9月)。
- 情報源: 岡垣町「PFOS・PFOAへの対応状況について(その1〜その10)」水質検査結果PDF
- 対象期間: 令和2年度(2020年度)〜令和8年度(2026年度)
- 記事の最終更新: 2026年9月
岡垣町の水道水にPFAS(PFOS・PFOA)は含まれている?
岡垣町の水道水(浄水場から配水される水)は、令和3年2月にPFOS+PFOA合算値45ng/Lを記録しましたが、令和7年6月に汚染井戸の一つを停止して以降は、不検出(5ng/L未満)〜数ng/L台で推移しています。
(出典: 岡垣町「PFOS・PFOAへの対応状況について」水質検査結果PDF)
全国の水道水PFASマップでは、他地域の実測値を都道府県ごとに比較できます。
水道水(浄水場配水)のPFOS+PFOA合算値の推移
汚染源とされる井戸はどこ?
岡垣町の水源井戸のうち、糠塚水源2号井戸・3号井戸の原水(浄水処理前の地下水)で高い値が継続的に検出されていました。3号井戸は令和2年度で360ng/L、令和6年度でも200〜307ng/Lと高濃度が続き、2号井戸も令和6年度に104〜130ng/Lを記録しています。これらの井戸は航空自衛隊芦屋基地に近接していますが、岡垣町は「現在、相互の関係性は確認されていない」としており、基地の給水井戸自体は隣接する芦屋町側にあるとしています。
(出典: 岡垣町「PFOS・PFOAへの対応状況について」水質検査結果PDF)
「原水」は井戸から汲み上げた未処理の地下水、「水道水」は浄水処理・混合を経て実際に給水される水を指します。糠塚水源3号井戸の原水は停止後も残留検出(最大692ng/L)が続いていますが、これは井戸を稼働させていない状態での参考値であり、水道水として給水されているわけではありません。
井戸の取水停止の経緯
- 令和3年〜5年3号井戸の稼働時間を24時間→18時間→12時間→9時間へ段階的に短縮。
- 令和6年5月3号井戸から500m以内の井戸所有者を保健福祉環境事務所が訪問し、飲用を控えるよう助言。
- 令和7年1月6日3号井戸の取水を完全停止。
- 令和7年3月4日住民・事業者向けの井戸水検査費用補助制度(上限2万5000円)を開始。
- 令和7年6月1日2号井戸の取水を完全停止。北九州市からの受水量を増やして補う。
- 令和8年2月新水源候補地(野間南地区、深さ150m)を試掘するも、必要な水量が確保できず断念。
(出典: 岡垣町「PFOS・PFOAへの対応状況について(その1〜その10)」)
岡垣町は活性炭処理設備の導入を「検討中」としていましたが、令和8年7月時点の最新報告では導入完了の記載はなく、井戸の停止・他事業体からの受水増加を主な対応としています。新たな水源の確保に向けた試掘調査を継続しています。
個人の井戸水はどうなっている?
岡垣町が実施した個人所有の井戸水の任意検査(飲用・農業用、補助金制度利用分)では、大部分が不検出でしたが、大字三吉の一部で23〜51ng/L、大字黒山で13ng/L、大字糠塚で7ng/Lの検出がありました。町はこれらについて町内全域のリスクを示すものではないとしています。これらは水道水とは別の、個人所有井戸の検査結果です。
(出典: 岡垣町「PFOS・PFOAへの対応状況について」個人井戸水検査結果)
このページのデータの読み方と出典
本ページの数値の見方と、参照した情報源をまとめます。「原水」は井戸から汲み上げた未処理の地下水、「水道水」は実際に給水される水、「個人の井戸水」は住民が任意で検査した私設井戸の水を指します。当サイトはこれらを混同せず、それぞれ区別して掲載しています。健康影響についての独自の安全・危険判定は行っていません。



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