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北谷浄水場PFAS問題とは?沖縄県企業局の実測値と嘉手納基地への立入調査の経緯

沖縄県

沖縄県企業局・北谷浄水場の水源(比謝川・長田川・天願川・嘉手納井戸群)は、環境省の調査でも全国有数の高濃度PFAS(PFOS・PFOA)が検出されるエリアです。沖縄県企業局が公表している一次データと、報道されている嘉手納基地への立入調査要請の経緯を、当サイト「全国水質カルテ」が独自の判定を加えずそのままファクトとしてまとめました(更新年月: 2026年9月)。

このページのデータについて
  • 情報源: 沖縄県企業局「PFOS+PFOA検出状況」年度別データ、令和8年度速報データ
  • 対象期間: H25年度〜R8年度(2026年度、7月分まで)
  • 記事の最終更新: 2026年9月

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北谷浄水場とは?どこに水を供給している?

北谷浄水場は沖縄県企業局が運営する県内最大級の浄水場で、比謝川・長田川・天願川(地下水を含む中部水源)とダム水・海水淡水化水などをブレンドして処理し、北谷町・沖縄市・北中城村・中城村・宜野湾市・浦添市・那覇市など中南部の広い範囲に水道水を供給しています。令和8年度は取水量全体の8割前後をダム水等が占め、中部水源(比謝川・長田川・嘉手納井戸群など)は1〜2割程度です。

蛇口に届く水道水(浄水)のPFASはどう推移してきた?

沖縄県企業局が公表している「北谷浄水場・浄水」(実際に給水される処理済みの水)のPFOS+PFOA合算値は、平成27年度(2015年度)の120ng/Lをピークに、近年は大きく低下しています。年度別の最大値の推移は次の通りです。

北谷浄水場・浄水 PFOS+PFOA合算値の年度別最大値
北谷浄水場・浄水 PFOS+PFOA合算値の年度別最大値基準値 50ng/L41H2536H26120H2730H2859H2963H3043R132R235R36R45R56R613R75R8 (今年度)単位: ng/L(年度内の最大値、安全/危険の判定ではありません)
出典: 沖縄県企業局「PFOS+PFOA検出状況」(年度別データ、および令和8年度速報値)

(出典: 沖縄県企業局「PFOS+PFOA検出状況」(年度別データ、および令和8年度速報値)。令和8年度は7月分までの参考値)

他の地域のPFAS実測値と比較したい方へ

全国の主要都市のPFAS(PFOS・PFOA)実測値は、全国PFASマップで一覧・比較できます。

浄水は近年、基準値を大きく下回る水準に改善

浄水(実際に給水される水)は平成27年度(2015年度)に最大120ng/Lを記録するなど基準値(50ng/L)を超える年が続いていましたが、令和4年度(2022年度)以降は高機能粒状活性炭による処理の効果で最大でも一桁台〜10数ng/Lまで低下し、令和8年度(今年度、7月末まで)は最大5ng/L・平均4ng/Lと、基準値の1割程度の水準で推移しています。

取水前の原水(川・井戸の水)は今も高濃度なのか?

浄水場に取り込む前の原水(河川水・井戸水そのもの)は、浄水のような改善が見られず、今も高濃度が続いています。代表地点である比謝川取水ポンプ場の年度別最大値は次の通りです。

比謝川取水ポンプ場(原水)PFOS+PFOA合算値の年度別最大値
比謝川取水ポンプ場(原水)PFOS+PFOA合算値の年度別最大値基準値 50ng/L195H25414H26590H27506H28498H29608H30278R1372R2275R3183R4205R5212R6143R7165R8 (7月まで)単位: ng/L(年度内の最大値、安全/危険の判定ではありません)
出典: 沖縄県企業局「PFOS+PFOA検出状況」(年度別データ、および令和8年度速報値)

(出典: 沖縄県企業局「PFOS+PFOA検出状況」(年度別データ、および令和8年度速報値)。令和8年度は7月分までの参考値)

原水は浄水と違い、改善傾向が明確ではない

比謝川取水ポンプ場の原水は、平成30年度(2018年度)に最大608ng/Lを記録した後も、令和に入ってから毎年200〜400ng/L台で推移しており、浄水のような明確な低下トレンドは見られません。令和8年度(今年度)も7月時点で165ng/Lと、基準値(50ng/L)の3倍超です。

その他の水源についても、令和7年度(R7)の年度最大値は次の通りです。

比謝川取水ポンプ場
143 ng/L
長田川取水ポンプ場
8 ng/L
天願川(川崎取水ポンプ場)
48 ng/L
嘉手納井戸群(混合水)
37 ng/L
大工廻川(比謝川支流・その他調査)
266 ng/L
基準値(50 ng/L)に対する濃度(色が濃いほど高い数値です。安全/危険の判定ではありません)

(出典: 沖縄県企業局「PFOS+PFOA検出状況」令和7年度データ)

汚染源はどこ?嘉手納基地への立入調査の経緯

沖縄県企業局は、比謝川・嘉手納井戸群周辺の高濃度PFASの原因として嘉手納基地(米軍)を疑い、基地内への立入調査を繰り返し要請していますが、実現していません。公表されている経緯は次の通りです。

  • 2016年6月沖縄県企業局が嘉手納基地への立入調査を初めて申請。
  • 2020年5月18日2回目の立入調査を申請。
  • 2021年2月12日沖縄県企業局が関係大臣・在日米軍司令部等に対し、汚染原因の究明と基準値等の設定を要請。この時点でも立入調査は実現していないと公表。
  • 2025年12月19日2016年以降計4回の立入調査申請に対し、米側が拒否したと防衛省が発表(日本経済新聞報道)。米側は「米軍施設が汚染源と示す明確なデータ、日米双方が評価できる基準が必要」との立場を示したとされる。沖縄県は今後も立入受け入れを求める方針。

(出典: 沖縄県企業局「嘉手納基地PFOS等問題に関する国および米軍への要請について」(2021年2月12日付)、日本経済新聞「PFAS調査のための米軍基地立ち入りを拒否 米側、沖縄県の申請に応じず」(2025年12月19日))

まとめ:現在の水道水は安全か

沖縄県企業局が公表する検査結果では、北谷浄水場から実際に給水される水道水(浄水)のPFOS+PFOA合算値は、令和8年度(今年度)時点で最大5ng/L・平均4ng/Lと基準値(50ng/L)を大きく下回っています。ただし、取水前の原水(河川水・井戸水)は今も水源によって基準値超過が続いており、汚染源とされる嘉手納基地への立入調査は長年実現していません。この記事は行政が公表した実測値と経緯をそのまま並べたものであり、当サイトが独自に安全・危険を判定するものではありません。

この水を受けている市の記事

北谷浄水場から水の供給を受ける那覇市の水道水質については「那覇市の水道水カルテ」で、硬度・フッ素・トリハロメタンなど他の項目も含めてまとめています。

このページのデータの読み方と出典

本ページの数値の見方と、参照した情報源をまとめます。

出典一覧

本ページは当サイト「全国水質カルテ」が独自に「安全」「危険」を判定するものではありません。行政・水道事業者が公表した数値と、公的な基準値をそのまま並べて掲載しています。

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