大阪市の水道水にPFAS(PFOS・PFOA)は含まれているのか、硬度・フッ素・トリハロメタン類はどうなっているのか。大阪市水道局が公表している最新の検査結果と出典を、当サイト「全国水質カルテ」が独自の判定を加えずそのまままとめました(更新年月: 2026年9月)。
大阪市の水道水にPFAS(PFOS・PFOA)は含まれている?
大阪市の水道水にPFAS:大阪市の水道水源は淀川のみで、3浄水場(柴島・庭窪・豊野)で継続的にPFOS・PFOAを検査しています。
大阪市水道局「大阪市の水道水における有機フッ素化合物(PFAS)の検出状況について」によると、大阪市水道局は平成17(2005)年度からPFAS実態調査を実施しています。国の基準値(PFOS+PFOA合算50 ng/L)との比較で見ていきます。
PFASマップ(升目表示、4系統別、令和7年度)
柴島下系・柴島上系・庭窪系・豊野系の4系統で、年4回(4月/7月/10月/1月)の検査結果を系統別に示します。全系統とも6〜18 ng/Lの範囲で、国の基準値(50 ng/L)を大幅に下回っています。
6〜9 ng/L(令和7年度、平均7.0)
7〜13 ng/L(令和7年度、平均9.8)
8〜13 ng/L(令和7年度、平均9.5)
6〜18 ng/L(令和7年度、平均10.8)
(出典: 大阪市水道局「大阪市の水道水における有機フッ素化合物(PFAS)の検出状況について」(令和7年度))
近畿地方(2府4県)53市町村のPFAS(PFOS・PFOA)実測値を一覧で比較できます。近畿地方のPFAS比較ページを見る
全国の主要都市のPFAS(PFOS・PFOA)実測値は、全国PFASマップで一覧・比較できます。
大阪市水道局「大阪市の水道水における有機フッ素化合物(PFAS)の検出状況について」によると、大阪市の水道水源は淀川のみであり、他の河川水や地下水は利用していません。
大阪市の水道水の硬度はどれくらい?
大阪市の水道水:硬度は水の飲みやすさに関わる項目です。
硬度の実測値(直近1年間平均値)
大阪市水道局「大阪市の水道水について」によると、硬度(カルシウム・マグネシウム等)は42 mg/L(直近1年間平均値)でした。国の基準値(300 mg/L以下)を大幅に下回っています。
(出典: 大阪市水道局「大阪市の水道水について」(直近1年間平均値))
硬度の比較(グラフ)
大阪市の水道水にフッ素は含まれている?
フッ素は自然由来で水道水に含まれることがある項目です。国の基準値は0.8 mg/L以下です。
フッ素の実測値(令和6年度)
大阪市水道局「水質試験所年報(令和6年度・第76集)」市内給水栓水水質試験成績の年間集計(252回)によると、フッ素は0.06〜0.10 mg/L(平均0.08)で、基準値を大幅に下回っています。
(出典: 大阪市水道局「水質試験所年報(令和6年度・第76集)」市内給水栓水水質試験成績)
フッ素の比較(グラフ)
大阪市の水道水のトリハロメタン類の検査結果
トリハロメタン類は、消毒に使う塩素と水中の有機物が反応して生じる副生成物です。国の基準値(総トリハロメタン)は0.1 mg/L以下です。
総トリハロメタンの実測値(令和6年度)
大阪市水道局「水質試験所年報(令和6年度・第76集)」市内給水栓水水質試験成績の年間集計(126回)によると、総トリハロメタンは0.001〜0.026 mg/L(平均0.010)で、基準値を大幅に下回っています。
(出典: 大阪市水道局「水質試験所年報(令和6年度・第76集)」市内給水栓水水質試験成績)
総トリハロメタンの比較(グラフ)
大阪市の水道水にカビ臭の原因物質は含まれている?
「水道水がカビ臭い」と感じる主な原因物質は、ジェオスミンと2-メチルイソボルネオール(2-MIB)です(国の基準値はいずれも 0.00001 mg/L、1 L当たり 10 ng/L以下)。大阪市の水道水の水源である淀川は、上流の琵琶湖で増殖した藻類から産出されたかび臭原因物質が流下する構造を抱えており、京都市(琵琶湖直下流)で2024年8月に実際に基準値超過が発生したのと同じ水系です。
令和4年1月、原水で基準値相当を大幅に上回る濃度が検出(浄水は基準値内を維持)
大阪市水道局自身の調査報告によると、令和4年(2022年)1月、低水温期にも関わらず柴島・庭種の両浄水場の原水(浄水処理前の水)で、藻類由来の2-MIBが基準値(10 ng/L)を大幅に上回る濃度で検出されました(柴島最高20 ng/L、庭種最高37 ng/L、いずれも藻体内外の総和)。一方で、オゾン処理の強化などの浄水対応により、実際に供給される浄水(処理後の水)は基準値を大幅に下回る水準に抱えられており、この事例で給水された水道水が基準値を超過したという記録は確認されていません。
原水と浄水の2-MIB最高値の比較(令和4年1月〜2月)
大阪市水道局の報告によれば、これまでかび臭の発生は平水温・高水温時に限られており十分な除去が可能だったものの、令和4年1月は低水温期にも関わらず発生した異例ケースでした。柴島浄水場では1月1日から1月14日にかけて中オゾン処理を強化し、庭種浄水場でも同様の強化を行うなどの対応により、給水される浄水は基準値を下回る水準に抱えられました。
(出典: 大阪市水道局「低水温期に発生したかび臭物質の浄水処理性と水道水への影響」日本水道協会全国水道研究発表会発表要旨)
琵琶湖の水温上昇や植物プランクトンの増殖は年によって変動があり、同じ琵琶湖・淀川水系を水源とする京都市(2024年8月)でも同様の事例が報告されています。滋賀県・東北大学・(一財)日本気象協会による気候変動影響調査では、気温上昇の大きいRCP8.5シナリオにおいてアオコ形成種およびカビ臭原因種の植物プランクトンが年間を通じて増加すると予測されており、大量発生が起こる確率とその月数もともに増加傾向を示しています(出典: 滋賀県・東北大学・日本気象協会「気候変動による琵琶湖の水環境への影響調査」環境省地域適応コンソーシアム事業、近畿地域)。また琵琶湖表層の水温は過去約40年で約1℃上昇しており、北湖では2019年・2020年に観測割上初めて冬季の全層循環が2年連続未完了となるなど、気候変動の影響とみられる変化もすでに確認されています(出典: 滋賀県気候変動適応センター「滋賀県の気候変動影響等とりまとめ」令和3年3月)。大阪市の水源である柴島・庭種・豊野の浄水処理はこれまでのところ安定して機能していますが、原水側のリスク自体は今後も継続するため、引き続き監視・浄水対応が行われています。
大阪市の水道水はまずい?
検査結果では、大阪市の水道水の味・臭気に異常は見つかっていません。
| 検査項目 | 基準 | 結果 | 検査期間 |
|---|---|---|---|
| 味 | 異常でないこと | 異常なし | 令和6年度(月次測定) |
| 臭気 | 異常でないこと | 異常なし | 令和6年度(月次測定) |
(出典: 大阪市水道局「水質試験所年報(令和6年度・第76集)」市内給水栓水水質試験成績)
検査結果に異常がなくても味や臭いが気になる場合に考えられる原因を、別ページ「水道水がまずいと感じたら?考えられる原因」で整理しています。
大阪市の水道水のその他の基準項目
その他の基準項目もすべて基準値内です。臭気は塩素臭が検知されていますが、これは消毒に使う塩素由来の通常の範囲内のものです。
pH値の実測値
大阪市水道局「水質試験所年報(令和6年度・第76集)」市内給水栓水水質試験成績によると、pH値は7.3〜7.9で、基準範囲内(5.8以上8.6以下)です。
pH値の比較(グラフ)
色度の実測値
大阪市水道局「水質試験所年報(令和6年度・第76集)」市内給水栓水水質試験成績によると、色度は0.04〜0.80度で、基準値(5度以下)を下回っています。
色度の比較(グラフ)
濁度の実測値
大阪市水道局「水質試験所年報(令和6年度・第76集)」市内給水栓水水質試験成績によると、濁度は0.02〜0.07度で、基準値(2度以下)を下回っています。
濁度の比較(グラフ)
鉛及びその化合物の実測値
大阪市水道局「水質試験所年報(令和6年度・第76集)」市内給水栓水水質試験成績によると、鉛は0.001〜0.002 mg/Lで、基準値(0.01 mg/L以下)を下回っています。
鉛の比較(グラフ)
(出典: 大阪市水道局「水質試験所年報(令和6年度・第76集)」市内給水栓水水質試験成績)
このページのデータの読み方と出典
本ページの数値の見方と、参照した情報源をまとめます。
出典一覧
- 滋賀県・東北大学・日本気象協会「気候変動による琵琶湖の水環境への影響調査」(環境省地域適応コンソーシアム事業)
- 滋賀県気候変動適応センター「滋賀県の気候変動影響等とりまとめ」(令和3年3月)
- 大阪市水道局「大阪市の水道水における有機フッ素化合物(PFAS)の検出状況について」
- 大阪市水道局「大阪市の水道水について」
- 大阪市水道局「水質試験所年報(令和6年度・第76集)」市内給水栓水水質試験成績
- 大阪市水道局「低水温期に発生したかび臭物質の浄水処理性と水道水への影響」(日本水道協会全国水道研究発表会発表要旨)



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